――欧米のほうが、芸術活動をする環境としては、日本より優れている、と。
「そうは言いませんが、欧米には、美術館の学芸員らの人材が豊富で、作品をきちんと評価し、価値付けできるメソッドがある。審美眼を備えて信頼するに足るアート市場もある。意地悪なジャーナリズムもよく勉強していて対抗しがいがある。一方、日本は美術館はたくさんあるだけ。ジャーナリズムは印象批評に偏っており、マーケットを蔑視している。オークション会社にしても、贋作(がんさく)をカタログに載せていたりする」
「日本の場合、教育に目を向けても、美術大学は無根拠な自由ばかりを尊重して、学生に何らの方向性も示さない。芸術には鍛錬や修業が必要なのに、その指導もできない。少子化や国立大学の法人化で、学生がお客さんになってしまい、教師は学生に迎合している。お陰で、あいさつさえまともにできず、独りよがりの稚拙な作品しかつくれない学生ばかりが世に送り出される。先鋭的なものは何も生まれてこない。だから、世界に出ていって通用する芸術家が日本にはほとんどいないんです」
――それでも、日本で独自に発展を遂げたものもあるでしょう。たとえば、マンガやアニメとか。
「第2次世界大戦でアメリカに原爆を投下され敗戦した日本は、国家としての主体性を持たないまま、アメリカ依存のもとで、平和な日常を送ることができた。そんな状況の中から生まれてきたのがサブカルチャーやオタク文化なんです。あだ花のような文化です」
「あだ花を大輪に育てるには仕組みが必要なのに、そこへの興味も無いし、労力も惜しむ。僕は世界でどうやってトップを取るかに集中しています。日本人はゴルフでもテニスでも世界一を取れない。なぜか。国内でそこそこ楽してやっていけるから、安心しちゃっている。地方自治体が街おこしにアートを利用するから、アーティストも結構楽にやっていけるので、海外に目が向かないし、無根拠にもの作りを推奨しすぎる。ぬるい」
朝日新聞デジタル:村上隆さんに聞く 世界のトップを取る (via tessar)
(出典: slowleaner)
同じような話を村上龍のエッセーで読んだ気が。グローバル化って言ってもまだまだだな。。